地震かな?
白い世界は、突然ぐらぐらと
揺れ出した。

どうしたらこの世界で、
僕は考えてることを精一杯表現できるだろうか。
揺れながら考えている。

震度7といったところか。
ミクは俺の手にしがみつく。
何もない世界では、僕は揺れていたって何も怖くなかった。

むしろバランスをとるゲームみたいな感じで、楽しかった。
突然、天が割れた。青い空に、ヒビが入った感じだ。

そして、いろんなものが降り注いできた。
ああ、これは外部からの使いかな。
なんとも表現しづらいけど、

僕の脳みそがどうやら、沢山のものを欲したようだ。
そのほとんどがどうでもいいものだろうけど、
逆に聞きたい。本当に大切なものってなんだろう。
どんな宝石よりも輝く価値ある財宝ってなんだろう。

それはお金でははかれない、心の豊かさなのではないだろうか。
俺もそろそろ、結婚を考えなきゃいけない時期だなあ・・
でもそれはまだいいや。
現実の世界の話だし。

そして、静かに流れるピアノの音。
それは豊かなメロディ。
ミクはその曲に合わせて踊りだした。
僕はブランコの外側にある柵に腰をかけながら、
少し上のほうをみながら
歌を聞くのを楽しんでいた。

太陽がないなあ。
僕は気付いた。
太陽を作るのにエネルギーはいるのだろうか。

一度俺の近くに太陽が泳いできたことはあった気がする。
きっと、願えばできるんだろう。
でもまぶしいから今はいいや。
えっちゃんとアイルとミクを連れて、僕らはワープすることにした。

そこは、どこまでも広がる草原。
果てしない草原だった。
僕はどうやら、流れ行く月日の中で大切なものを忘れてしまったらしい。

これが俺の望んだ世界だったのかなあ。
なんとなくそこにたたずんでいると、
不思議と少し癒されてくる気がした。

麦わら帽子が一つ、
僕の足元に転がってきた。
僕はそれを拾って、
被ってみた。
そしてあのセリフを言ったんだ。
「海賊王におれはなる!」

いやあ、海賊でもないし、王様にはすでになっているんだけど。
麦わら帽子に火にした自分の指で穴をあけ、
前を見る。
アイルとえっちゃんとミクが僕を見ていた。
そうだ、歩き出そう。
どこまでも長い地平線に向かって、僕らは歩き出した。