2013年02月02日

アイルは小柄だけど、
表情がとても柔らかくて繊細で、
とてもかわいい女の子だった。

聞けば服を編むのが趣味なのだという。
「なんでこの村の住民たちは白いの?」
僕は尋ねてみた。
「それはあなたがまだ創造していないからだよ。」
そうか、ここは俺の世界。
真っ白なのも、まだ僕が何も想像してないからなのかー。
変に納得した僕は、この文章で作られるこの世界に
そっとキスをした。

その瞬間、原爆が落ちたみたいな衝撃が走った。
月が落ちてきたんだ。
月からはウサギの群れが現れた。

ああ、幸運のウサギかあ・・
ウサギはみるみる内に合体して大きくなり、
月を食べてさらに大きくなり、
青い、青い空になった。

やっとこの白い世界に色が生まれたぜ。
かすかだけど、地平線も生まれた。
この白い世界に、僕はホワイトアイランドという名前をつけた。

「アイル、どうして君にだけ色がついていたんだい?」
僕は聞く。大体答えは分かっていたけど。
「それは、この物語にもう一人必要だったから。」
そうだ、必要だったから生まれたんだ。

発明は必要を呼ぶ・・じゃなかったっけな。
まあなんでもいいや。
能天気な僕はえっちゃんのひざまくらの上にねっ転がって、
ただ流れ行く雲を眺めていた。
(あの雲もウサギなのかなあ・・)

アイルは言った。「あの雲はどこかの工場で出されている煙だよ」
まるで俺の心を読み取ったようだった。
なるほど、煙なのか。スモークデイズだなあ。
雨は降るんだろうか。

そんなことをぼんやりと考えていた。
えっちゃんのそばにいるとなぜか落ち着いた。

アイルとえっちゃん、僕の想像が創造した
二人の女の子。
まるでギャルゲーみたいだなあ。

でも、何もない世界ってのも悪くないなと感じた。
これから好きなものを作っていけるから。
僕は破格の錬金術師。
そしてこの世界の神様。

この世界を僕はどうすることだってできるんだ。
それは文章という道具を使って。

脳内世界、ということは・・・・・・
俺の想像力に全てが託された。
一瞬で色々作り替わることもあるんだろう。

何度も何度も繰り返して、
僕はこの世界で何を得るだろう。
突然、目の前にドアが現れた。

さあ、行こう。新しい世界が僕らを待ってる。


(08:19)